むかしむかし、あるところに巨人がいた。彼は一人だった。
頭上には天が足元にはただ地が広がっているだけ。
他には何もなかった。彼が寂しさの中で死ぬと、その体は山となり川となり、風や雨やいろいろなものとなって一つの世界ができた。
そして、人や動物が生まれた。
龍や神も生まれた。
神の仕事は、みんなが楽しく暮らせる世界を作ることだったので、自分が持つ強い力を四つに分けて刀を作り、人の世界の4人の王に与えた。
王たちは正しい心をもっていたので、刀の力も正しく働き、平和な世界が続いた。
ある時、別の世界の悪い生き物が、この美しい世界を欲しいと思った。
そのためには四本の刀が必要なので、王達の心に黒い息を吹きかけた。
三人の王の心が真っ黒になったとき、神と四人目の王と、何匹かの龍がこのたくらみに気づいた。
そして、戦いは始まった——。